君が想うこと
出会い
出会いは小さな本屋だった。学校のそばにあるその本屋は教科書販売もうけおっていて、むしろその時期以外で商売をしているところをみたことがないとおもうほど閑散としていた。あまり新しい本もおいてない。近所にコンビニがあるので雑誌もそちらで買うことが多い。では何故ここに足しげくかよっているかというと…よく見えるからだ。ここから職員室はよく見える。あの窓際の講師は今年からの新人だ。しかしあいつが新人講師になる前にもう俺たちは出会っていた。漫画を読むふりをしてちらっと目をあげるとあいつが一生懸命何か書いているのが見える。きったねー字なのにたくさん書きやがる。みんな迷惑してるんだ。…俺以外は……と心の中でつぶやく。俺はあいつが好きだ。なぜだかわからないが本当に好きだ。あいつのことを想うと夜眠れないときもある。それほど好きだ。
出会いはこの本屋だった。ぶつかってきたあいつの手には古典の参考書が握られてた。「すみません」そういって足早に去るあいつの香りは大人の香水の香りだった。レジでお金を渡すあいつの横顔をみて予期せずドキドキした。
つぎに会ったときは教室だった。「今日からしばらく講師として教科担任をもつことになりました」そういうあいつを俺は一番後ろの席でみていた。これからしばらく古典が楽しくなるのを感じた。
出会いはこの本屋だった。ぶつかってきたあいつの手には古典の参考書が握られてた。「すみません」そういって足早に去るあいつの香りは大人の香水の香りだった。レジでお金を渡すあいつの横顔をみて予期せずドキドキした。
つぎに会ったときは教室だった。「今日からしばらく講師として教科担任をもつことになりました」そういうあいつを俺は一番後ろの席でみていた。これからしばらく古典が楽しくなるのを感じた。