コロちゃん
2人乗りは昔からいつも漕ぐ側。
漕ぐのが好きってのは本当。
春風に吹かれて私はペダルを踏む。
「俺……2人乗りで乗る側って
初めてなんだけどさ、超怖いな。」
「え?初めてなの?」
「今まで女子乗せてきたコトはあるけど、女子に乗せられたの鈴木が初めて。」
「………柏木君の初めて貰った~♪」
「だから……鈴木が言うと
何か……エロく聞こえんだよ」
柏木君の顔は見えないけど、たぶん
真っ赤にしてると思う。
「何のことだろ~?」
「鈴木っ、てめー!」
「へへへーっ、あっ着くよ。」
「覚えとけ!」
私は聞こえなかったコトにして
柏木君の自転車を降りる。
「懐かしなぁ~ってまだ
1年しか経ってないけどー」
「俺は超久しぶりに感じる。」
「おぐっち居るかな?」
「小椋はー、死んだんじゃね?」
「うっそだぁ~、おぐっちは
そんなん簡単に死なないって。」