コロちゃん


おぐっちこと小椋智明先生は
私たちの担任の先生で
ぽっちゃり体系に眼鏡。

温厚で、人望も厚く良い先生だ。


校舎だって、ほんの1年前の
卒業式に見た時と変わり映えは無い。


「俺らの卒業制作何だっけ」

「窓のステンドグラスの装飾?
じゃなかったっけ?」

「あぁ~、俺サボってて覚えてねぇわ」

「もー、卒業制作なのに。」


職員室までの道のりは
こんな話題で、尽きなかった。

サボってたの…知ってるよ。
友達と取っ組み合いして遊んでたよね。
やんちゃだなって見てた。


「職員室だー!変わってないなぁ」

「俺、職員室とか来たコトねぇかも」

「こらこら、1回はあるでしょ」

「まぁいいじゃん、小椋探そうぜ」


柏木君は職員室の入口の来校者サインの紙に私と柏木君の名前を書き込んで、3年2組の教室に移動する。


「おぐっちぃ~」

「おっ、鈴木に柏木か。
よく来たな、座れ座れっ」


おぐっちはベージュのVネックセーターにピンクのYシャツ、カーキ色のパンツ。

「小椋先生、服も変わってないな」

「これが先生のスタイルさ。」

「でもでも、おぐっちスタイルは
もっと…こうダボダボな感じの……」


柏木君は確かに、と頷いた。


「ふわっしょんの流行とやらに
敏感になれとかみさんに言われてだな」

「おぐっち、ふわっしょんじゃなくて
ファッション!」

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