生きたがりの青年と死にたがりの少年

「そうか、なら行ってこい。」

「わかった。」

明日の朝、ヒロを施設に戻し、その後詳しいことを聞くことにした。

“死にたがりの少年”

気づけば、俺の頭にはいつしか、ヒロにそんな異名がついていた。

“死にたがり”ではなく、“殺されかけ”なんじゃないか?

彼は、“現実”という“敵”に殺されかけている。

ヒロのような子供が存在する世界。

これが世の中なんだ。

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