生きたがりの青年と死にたがりの少年
母さんはそんな彼を微笑ましく見ていた。
「ごちそうさま!」
パチンと大きく手を鳴らして、ごちそうさまをした。
「ヒロ、学校行くぞ。」
そう言葉をかけると、ヒロは少し寂しい顔をした。
「お前の住んでいる施設まで、送ってやるから。」
彼は、弱い力で俺の手を掴んだ。
家を出て、ヒロに道案内されながら、予想していた施設への道を行く。
右手でバイクのハンドルを持って、それを押し、左手はヒロがしっかり握っていた。