生きたがりの青年と死にたがりの少年

その人は嬉しそうにした。

「どうぞ、こちらへ。」

俺は施設の中へ案内された。

靴箱には、様々なサイズの靴がいっぱい並んでいた。

壁には、“ぼくのおかあさん”と描かれた絵があった。

しかし、その似顔絵の下には、“うえみやせんせい”と書いてある。

子供たちの笑い声が聞こえる。

俺の横をランドセルを背負った子供が2、3人通って行く。

「先生、行ってきます!」

「はぁい、行ってらっしゃい。」

その子供の後ろを、遅れてヒロが付いていく。

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