生きたがりの青年と死にたがりの少年

「そう…。ヒロ君、苦しいんだね。なんとかして助けてあげたいわ…。」

母は我が子を思うように、うっすら涙を浮かべていた。

「ヒロが自殺を図るときは決まって、学校の帰りなんだって。だから、毎日、俺が迎えに行って、原因を突き止める。」

「そうだな…。うん、そうしなさい。」

アゴヒゲを触りながら、父は賛成した。

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