生きたがりの青年と死にたがりの少年
いつも通り、ヒロを迎えに行き、いつもの通学路を歩いていた。
「おい、弘。」
後ろから低い声で、ヒロを呼ぶ声がした。
「――!!」
少年は怯えた。
「おい、呼んでるんだ、返事するんだ!」
声が荒くなる。
俺はヒロより先に振り返った。
くしゃくしゃな汚い髪と、手入れしていないヒゲが、無造作に伸び、猫背の男が立っていた。
「誰だ?お前。」
「ヒロの友達のショウです。」