生きたがりの青年と死にたがりの少年

男は目を泳がせて、俺を恐れた。

「ヒロの傷痕はアンタには癒せない。アンタにはもう父親の資格なんてない。」

「う…うるせぇ!!こ、殺してやる!」

男はポケットから果物ナイフを取りだし、威嚇した。

「俺はなぁ愛されたかったんだよ…。佳世(かよ)は、俺を愛してくれていた。なのに、佳世は俺よりソイツを愛していた…。俺は、俺だけを愛して欲しかったんだ!」

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