生きたがりの青年と死にたがりの少年
マスコミが押し寄せ始めてから1週間。
徐々にマスコミの数は減ったが、どうしても大きな見出しが欲しいマスコミは、しつこく付きまとった。
そんな中、上宮先生から連絡が来た。
『伊丹さん、お話が。』
「え?どうしたんですか?」
『ヒロ君の父親と名乗る方が、施設に訪ねて来ているんですが…。』
一瞬、時が止まった。
ヒロの“父親”が、なんで?
「ヒロに本人かどうか、確かめますんで、名前を教えて下さい。」