生きたがりの青年と死にたがりの少年

ヒロの父親は涙を浮かべた。

「僕にとっても両親の存在はかけがえのないものです。だから、僕はヒロと一緒に暮らすことに賛成です。ヒロ、パパと一緒に居たいよな?」

ヒロは、輝く笑顔で答えた。

「うん!パパと一緒がいい!」


ヒロの父親は隣の県の実家に暮らしており、そこから通勤している。

ヒロの祖父母にあたる父親の両親は、2年前に他界しているため、実家には1人で暮らしていた。

再婚はしておらず、付き合っている人もいない。

送別会などはせず、見送る日が来た。

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