生きたがりの青年と死にたがりの少年
また、数少ない歯を見せて、ワハハと笑った
「そんだといいのぉ。」
『中川 一夫。あなたの体はもう持ちませんでした。帰る体のない魂は死へ導きます。』
少女の声が聞こえた
それは一夫爺さんの、死を知らせるものだった
ゆっくり立ち上がり、杖をついて歩き出した
―お、おい!
「いずれ命は終わるんじゃ。哀しむな、若いの。」
知らない間に俺は、涙を流していた
彼は、右手をグーにして、親指をつきだし、最後にいった