生きたがりの青年と死にたがりの少年
名無し
俺は二人の人間の死を見届け、一人の人間の生を見送った
『悲しいですか?』
―そりゃな。カワユリは生きたかったのに死んでいった。可哀想だ…。
『あなたも同じ運命を辿ることもありうる。それを忘れないで。』
―ああ。
そしてまた旅人が来た
しかし、人の形をしていない、光の球だった
『この子の名前はありません。』
―どうして!?
「だってまだ産まれていないんだもん。」
光が答えた