生きたがりの青年と死にたがりの少年
店員は、少し歳のとったおばちゃんで、嘘に気付かなかった。
「あら、ごめんねぇ。おばちゃんも気付かなかったわ。ありがと。」
快く受け取ってくれた。
急いで彼女のとこに戻ると、さっきと同様黙ったまま座っていた。
「買ったから。大丈夫、誰にもわからない。」
「……どうして?」
小さな声で訪ねてきた。
「何が?」
「どうして?夏実(なつみ)のこと、知らないのにお金出せるの?」