生きたがりの青年と死にたがりの少年
「病院の購買で万引きだなんて、おかしいだろ?見つかって出てきた瞬間、待合室の大勢の人に捕まってもおかしくない。なのに、君は万引きした。」
また黙り込んだ。
「まぁ俺自身、理由なんてなくて、直感的にした事なんだよね。」
本当にそうだった。
見知らずの人の罪を消した。何してんだろ。
……ただ。
この子はそんな子ではない、直感で思ったんだ。
「君、夏実って言うんだね?」
「え?何でわかったの!?」
「さっき『夏実の〜』って。」