生きたがりの青年と死にたがりの少年

夏実ちゃんは大きな目をさらに大きくして、俺の顔をまじまじと見つめた。

「もしかしたら君の…いや、絶対に君の赤ちゃんだ。」

「…信じらんないよ。」

「うん。だから、信じなくてもいい。だけど、最後まで聞いて欲しい。」

彼女は静かにうなづいた。

「赤ちゃんなのに、ハッキリ自分の気持ちを、自分の音であらわしてくれた。」
< 60 / 177 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop