生きたがりの青年と死にたがりの少年
その日、夜中に目が覚めた。
隣のカーテンで閉ざされたベッドの灯りがついていた。
灯りに照らされ、患者の影がカーテンに映し出されていた。
小柄な子供のようだった。
子供はうつ伏せになり、枕に何か書いているように見えた。
「眠れないのか?」
子供は縦に首をふった。
「だからって、枕に落書きすんなよ。」
ははっと軽く笑った。
長方形の影が見えた。
「画用紙か?」
またうなずいた。