生きたがりの青年と死にたがりの少年

「悪い、悪い。ごめんな。」

横に首をふった。

「俺、将吾って言うんだ。ショウって呼んで。君は?」

「……。」

答えてくれなかった。

「喋れないのか?」

違う。

「喋りたくないだけか。まぁいいや。早く寝ないと、看護師に怒られんぞ。」

また何か書き出した。

そしてスケッチブックをたたんで、枕の下に敷いた。

「何書いてたんだ?」

手でハートの形を映した。

< 67 / 177 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop