生きたがりの青年と死にたがりの少年

病室に戻ってきた。

相変わらずカーテンは閉められたまま。

「お腹空いてないのか?」

カーテンの隙間からスケッチブックが出てきた。

“すいてない”

クレヨンで書かれた、汚い字だった。

「パン、買ってきたんだけど、お腹空いたら食べるか?」

“いらない”

しかし、言葉とは裏腹に、お腹の虫が鳴った。


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