生きたがりの青年と死にたがりの少年

昼前に病室に戻ると、一枚の画用紙がベッドに置かれていた。

付録にパンの袋のゴミがあった。

「ゴミは自分で捨てろよ。」

それを捨てると、画用紙に書かれていた文字が現れた。

「……。」

ピンクで書かれた震えた字。

“ありがとう おいしかったよ”

その周りは、涙の雫の跡がちりばめられていた。

「……ヒロ?」

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