生きたがりの青年と死にたがりの少年

「お、おい!待てよ!」

結局あげられないまま、病室を後にした。

建物の外から、自分の居た病室の窓を眺めた。

熊のぬいぐるみが、手を振っていた。

一生懸命、ぬいぐるみを操っている手が見えた。

隣のあの子だろうか。

軽く手を振って、家路を歩いた。


家に帰り、休む間もなく退院祝いが行われた。

ケーキまで用意されていて、賑やかな夜になった。

学校を休んでいる間、いろんな事があったらしい。

< 75 / 177 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop