生きたがりの青年と死にたがりの少年
「お、おい!待てよ!」
結局あげられないまま、病室を後にした。
建物の外から、自分の居た病室の窓を眺めた。
熊のぬいぐるみが、手を振っていた。
一生懸命、ぬいぐるみを操っている手が見えた。
隣のあの子だろうか。
軽く手を振って、家路を歩いた。
家に帰り、休む間もなく退院祝いが行われた。
ケーキまで用意されていて、賑やかな夜になった。
学校を休んでいる間、いろんな事があったらしい。