生きたがりの青年と死にたがりの少年
「母さん、ただいま。この子迷子になったみたいでさ、寒いから連れてきた。」
「まぁ、こんな時間に迷子?」
ヒロは俺の後ろに隠れた。
「とりあえず、何かご飯食べさせてあげて。」
「そうね。今日はカレーだから、おかわりいっぱいあるわ。いっぱい食べてちょうだいね。えっと…。」
「ヒロだよ。」
「ヒロ君ね。」
ヒロは俺のそばからはなれようとしないで、ずっと服を掴んでいた。