【コメコン2】ブラックアウト症候群。




床に座り込んだままの俺に、ミオンはしゃがみ込んで、間に懐中電灯を上向きで置いた。

これならお互いの顔がよく見える。

案の定っつーか、なんつーか。

ミオンは普段通りの表情をしていた。


「んと~、懐中電灯も見つかったことだし、ちょっと休む?」

「……別にどっちでもいい…」

「でもシオン、すっごい疲れた顔してるよ?」


だろうな。


「…誰のせいだと思ってやがる…」


半ば八つ当たりのような気がしないでもない口調で問いかけると、ミオンはきょとんとした顔で首をかしげ、


「え?それは…………っ、」


――シュバッ


「もがっ!?」

「…ミオン、今また“あっ!”って言おうとしただろ」

「もがもが(うんうん)」

「それだっつの」

「もが?(なにが?)」

「それのせいで俺の寿命はかなり縮んでんだよふざけんなバカッ!!」


もうビビッてたまるかと、ミオンの口を右手で塞いで俺は言う。

ミオンは納得したように「むむむ~ん(なるほど~)」とうなずく。

……っつーか、なんでミオンがもごもご言ってるだけの言葉が分かるんだよ俺。





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