【コメコン2】ブラックアウト症候群。
「…なんだか食べかけの冷凍食材すっごい出てくるねえ……」
「これとか賞味期限3年過ぎてんだけど」
「お母さん、買ったの忘れて同じの結構買ってるっぽいね…」
「金の無駄じゃねェか」
「今度お母さんに言わなきゃ……あとは~…」
だいぶ空になってきた冷凍室の中を覗きこんでいたミオンは、何かを発見したのか目を丸くする。
“あっ!”と言おうとしたのか、慌てた様子で口を手で塞いだ。
それから、冷凍庫の奥に手を伸ばして、何かを取り出してみせた。
「…見て、ハーゲンダッツ!」
「なんでそんな高級なモンがあんだよ!?」
「たぶんお母さんたちがひっそりこっそり食べてたに違いないよね…ほら、まだ結構残ってるよ!」
「……賞味期限は?」
「うん、大丈夫。まだまだ食べられるよ」
「ぜってェ食す」
「もちろん!」
ミオンと目を見合わせてニヤリと笑い、ハーゲンダッツの数々を別の入れ物に保冷剤と共に入れた。
それが最後だったようで、冷凍室の中は完璧に空になった。
立ち上がって伸びをする。
肩を落とすと、慣れない労力の浪費にかなりズシッときた。