【コメコン2】ブラックアウト症候群。
「…………」
「……き、切っちゃったの…?」
「…………」
「え、ちょっとシオンってば、コンパス持ってどこ行くの!?」
「あの笑い上戸と“腐”のつく輩をぶっ飛ばしに。」
コンパス片手にスタスタとリビングを出て玄関へ向かう俺を、ミオンが慌てて追ってくる。
すぐに追いつかれたのは明白で、玄関の手前で腕を掴まれた。
「ダメだってばーっ!コンパス危ない!」
「うるせェ離せッ!あのバカ2人をぶっ飛ばさねェと気が済まねェんだよッ!!」
「おおお落ち着いてってばーっ!」
現段階の成長状況では明らかにミオンの方が強く、腕をグイグイ引っ張られて痛い。
だがしかし、俺の気も治まることを知らない。
今回ばかりは心の底からムカついた。
ぜってェ殺ってやンよ!!
そう意気込んだ、直後。
――ガンガンガンガンッ!!
目の前の玄関が激しく叩かれる耳に痛い音が響いた。
もちろん、俺もミオンも反射的に硬直した。