【コメコン2】ブラックアウト症候群。
ソファを思い切りぶっ叩いて立ち上がろうとした俺を、ミオンが抑える。
あっさり抑え込まれる俺ってどうなんだ。
…別にいいしどうせすぐ追い抜くし!
真っ暗でしかもホラー映画の影響を受けて、内心ヤケクソ気味にフーフー威嚇しながらソファにリターンさせられた俺。
ミオンは小さくため息をつく。
『…はあ…。とりあえず、懐中電灯探さなきゃ……あっ!』
辺りを見回したかと思うと、突然ミオンは俺の背後を見て声を上げた。
今度は本気で何かを見つけたような声色。
まさかそんなウソだろおいマジかよリアルになんか居たのかよちょっと待てありえねェッ!!
…と、この短時間でどんだけ寿命縮めてんだって勢いでビクついた俺の耳に、
『シオン!星が綺麗だよ!』
とかいう、ミオンの嬉しそうでかつ楽しそうな声が聞こえてきて、今度は本気で脱力した。
ソファに沈み込みながら、『お前…俺が早死にしたらミオンのせいだからな…』と力なく愚痴ってやるが。
『え?なに?っていうか、星見に行こうよ!』
なんていう、遊園地に連れてきてもらった幼稚園児の如く、
ウキウキわくわくしながら俺の腕を引っ張るミオンには、そんなのまったく無意味だったようだ。