【コメコン2】ブラックアウト症候群。
飛び上がるのを耐える時に掴んだガラス戸にギギッと爪を立てる。
それを知ってか知らずか、ミオンは。
「…ま、またビックリしたの…?」
「…………。そーだよ悪ィかッ!!」
完璧にヤケクソでそう言うと、ミオンは「あはは」と苦笑した。
「そかそか。んー、じゃあそろそろ懐中電灯探そっか」
「最初からそうしろよッ!」
「だって星が綺麗だったんだもーん」
「“もーん”じゃねェよ何キャラだよマナミかよッ!」
「あはは~。そんなイライラしないで、ほら、入って入って!いざ、懐中電灯探し隊出発だよ~」
そんな隊に入った覚えねェよ。
*****
懐中電灯を探すっつっても、辺りが真っ暗だからどこに何があるかもよくわからない。
普段見慣れているような自宅も、明かりがなければ別空間だ。
「…ん~…懐中電灯どこ置いてたっけ~」
「そこの引き出しさっき探した」
「あ、そうなの?んー…じゃーあ~……」
メートル単位では離れない距離で、リビングをくまなく探す。
ホントは別々の部屋を探した方がいいのかもしれないが、それをしないのは。