【コメコン2】ブラックアウト症候群。




飛び上がるのを耐える時に掴んだガラス戸にギギッと爪を立てる。

それを知ってか知らずか、ミオンは。


「…ま、またビックリしたの…?」

「…………。そーだよ悪ィかッ!!」


完璧にヤケクソでそう言うと、ミオンは「あはは」と苦笑した。


「そかそか。んー、じゃあそろそろ懐中電灯探そっか」

「最初からそうしろよッ!」

「だって星が綺麗だったんだもーん」

「“もーん”じゃねェよ何キャラだよマナミかよッ!」

「あはは~。そんなイライラしないで、ほら、入って入って!いざ、懐中電灯探し隊出発だよ~」


そんな隊に入った覚えねェよ。




*****




懐中電灯を探すっつっても、辺りが真っ暗だからどこに何があるかもよくわからない。

普段見慣れているような自宅も、明かりがなければ別空間だ。


「…ん~…懐中電灯どこ置いてたっけ~」

「そこの引き出しさっき探した」

「あ、そうなの?んー…じゃーあ~……」


メートル単位では離れない距離で、リビングをくまなく探す。

ホントは別々の部屋を探した方がいいのかもしれないが、それをしないのは。





< 7 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop