嫌い。でも好き
「プッシュ~~」


そういってバスは出口を閉めて、どこかへ去っていった。


(な、な、な、な、な、な、)


「なにこれぇぇぇぇぇぇええええええ!!」



「うるせぇ・・・」



そんな慎の酷い発言なんか、まったく聞こえなかった。


だって、目の前には、



すっごくすっごく大きくて、絶対迷いそうな建物があった。



一瞬違うなにかの建物だと思ったが、



校門にはしっかりと、ぴっかぴかの字で



「桜美学園」



と書いてあった。



「こんなところで3年間も過ごすんだぁ!やったぁ~~!!」



「まぁいいから早く寮に行こうぜ・・・疲れたよ。」



こんな真っ昼間から何を言い出すんだろう・・・



まあ、あたしも少し、すこ~し疲れたけど・・・



「じゃあ、もう寮に行こっか!また明日ねぇ」



「あぁ、入学式でな」


そう言って慎と別れた。



慎が歩いていくのを、入学式の準備で休みも呼び出された哀れな先輩がたが見ていた。



理由は・・・なんとなく分かる。






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