きみがため

忙しいせいで、見回りにはあまり行けていない。

つまり、八重にも、会えていない。

比較的平穏な日には理由を付けて一人で見回りに出て、いつもの河原に寄るのだけれど。

毎日という訳にはいかない。

けれどたまに行くといつも八重は居て、もしかすると毎日居てくれるのかもしれない。

決まった時間に、決まった場所で。

そして僕が行けない日には、きっとため息の一つでも吐いて帰るのだろう。

それを思うとなんだか切なく、同時に堪らなく愛しくなった。
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