きみがため

柔らかな日差しが周囲を優しく包み込む。

時折吹く爽やかな風に、庭の草花が揺れ、自然と顔がほころんだ。


「土方さん、僕見回りに行ってきますね」

「沖田。一人で大丈夫か?」

「はい。近藤さんが戻られるまでには帰ります」


僕は浅葱色の羽織りを翻し、街へと見回りに出た。

行き交う人々の賑わいの中をすり抜け、街をくるりとまわる。

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