きみがため
非番の日はいつも剣道場で稽古に励む。
僕は剣でしか生きられないから。
休みと言えど、剣術を磨くことを怠りたくない。
「……ッ!ゴホゴホ、ゴホッ!」
また激しく咳込み、その場にうずくまる。
「おい、総司!」
顔を上げると、同じく稽古に来たのらしい土方さんが、心配そうに立っていた。
「顔色が悪いぞ。非番くらい大人しく休んだらどうだ」
そう言う土方さんに僕はいつもと変わらぬ笑顔を向ける。
メニュー