きみがため
……どうする?
「どういう意味です?」
「お前も行くか?」
そんな事聞かなくても、答えは分かりきっているはずだ。
「当然です」
「やっぱりな」と、土方さんは少し呆れたように笑った。
土方さんが僕の身体を心配していることは分かる。
だけどね、土方さん。
刀を振るわずに、ただ病床に臥すだけになってしまったら。
それはもう新撰組ではないんですよ。
一番隊組長を名乗れなくなってしまいます。
そんなの、死んでいるのと一緒でしょ?
しばらく二人無言で庭を眺めた後、土方さんは立ち上がって自室の方に行った。