きみがため
維新志士の動きはますます活発になり、比例して僕の刀はより多くの血を流させた。
新撰組の、僕の、邪魔をする者は容赦なく始末する。
その思いだけに僕はつき動かされていた。
ほとばしる血しぶき。
生臭い血の匂い。
それらを踏み付けて、僕は僕で在り続ける。
「沖田さん……近頃ますます冷酷になってきたな」
「あぁ……」
他の隊員のこそこそと話す声が聞こえ、僕はジロリと視線をやる。
「ひぃっ!……すみません!」
同じように己の一身を賭けて戦う隊員でさえ、この僕のことを恐れる。
まるで妖怪でも見るかのような、怯えた目。