きみがため
僕はこんなにも未練たらしい男だったろうか。
新撰組として僕が信じる誠以外は、あらゆる物を捨てて生き続けた。
人との馴れ合いや感情すら必要ないと、そう思っていたのに。
ただ一つの僕の存在理由だった新撰組。
そこに居られなくなってさ迷う僕が求めたもの。
腹立たしいほど、恋しくて。
どうしようもなく、会いたい。
僕は貴女の中で存在していたい。
貴女のための僕で在りたい。
このまま何の意味を持たずに死んでいくなんて嫌だ。
僕は力の入らない手の平をぐっと握った。