恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
◇ソバにいさせて。
┗唯SIDE
【唯SIDE】
『本宮(もとみや)先輩……、ごめんなさい。
あたし、本宮先輩の事、好きになっちゃったかも』
驚いた顔をする先輩。
その顔が、だんだんと困り顔に変わっていくのが分かった。
……やっぱり。
そんな風に思ってから、両手を振って慌てて否定する。
『あ、でもっ、大丈夫!! 付き合ってください、とか絶対言わないし!
だって、こんなの……なんていうか、契約違反だって、分かってるから』
『……唯(ゆい)』
先輩が、あたしの名前を呼ぶ。
先輩が呼んだだけで、特別に聞こえる名前。
先輩と一緒にいるだけで、特別に感じる場所と時間。
溢れ出す気持ちを抑えながら、先輩をじっと見上げた。
『先輩が誰とも付き合わないのは、分かってます。
分かってるから……、傍にいちゃダメ……?』
『……』
『先輩を困らせるような事、しないから。
……だから、お願い』