恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
それが今も続いてるかは分かんねーけど。
3年も経つんだし、吹っ切れてても普通だし。
春っていうには、少し肌寒く感じる風が裏庭に吹く。
沢村のふわふわした髪が、肩の高さで揺れる。
犬みたいに丸っこい目が、本宮を見つめてキラキラしてた。
「だから、俺の告白現場を押さえに来たの?」
本宮が言うと、沢村はニコっと笑顔を返す。
教室にいる時も、元気のよさに感心するくらいよく笑ってるヤツだけど。
本宮が好きなんだって分かるような、そんな笑顔だった。
「違いますよ。先輩に会いに来たんです。
そしたら、たまたま居合わせちゃっただけで」
……告白かよ。
つーか、知らなかった。
沢村が本宮を好きとか。