恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「おまえ、そんなんだから男に騙されんだよ」
沢村はキョトンとした後、「ああ」と笑った。
「元カレの事だったら、ちょっと違うよ。
あたし、嘘つかれてたの知ってたもん。騙されてたわけじゃないよ」
「は?」
「浮気してたのだって、態度で分かってた。
けど、嘘をつくって事は、あたしを想ってくれてるのかなって。
想ってくれてるなら、今度はしないかもしれないって」
目を伏せた沢村が、わずかに微笑む。
そして、呟くみたいな小さい声で言う。
「いつも、そんな気持ちにすがり付いてた」
「……」
「弱かったんだよ。その人を失ったら、生きていけないって本気で思ってたし……。
それくらい、好きだった。
元カレがダメな人なんだなーっていうのは、分かってたけど……。
それでも別れたくないくらい、好きだった」