恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
すっかり大人しくなった津田さん。
さっきまでの勢いをなくした姿を見てると、どうも憎みきれない。
都築くんが好きだっていうのは、よーく伝わってくるから……、なんかキライになれない。
しかも、相手にされてないのに頑張ってるし。
どこか自分と重なるような気になってくる。
それに、今だってひとりであたしにケンカ売ってきてるわけだし。
素直じゃないけど、ただ、都築くんとあたしの関係が気になってるだけなんだよね、きっと。
「……そのバンドって、人気あるの? 津田さんが、頼み込んでくれたの?」
振り返った津田さんが、驚いてあたしを見た。
そして、ふてくされたような顔をして言う。
「まぁ……、それなりになら」
「文化祭を盛り上げるために、津田さんが頼んでくれたって事だよね?」
「……」
津田さんは、チラっと都築くんを見てまた俯く。