恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
『っていうかさ、普通好きでもあんなハッキリと態度に出せなくない? どういう神経してんだろ』
あたしに聞こえてるのを分かりながらも言ってるのは、黒髪ロングと、茶髪のショートの先輩。
茶髪ショートはクスクス笑ってるだけだけど、黒髪ロングの方は、薄笑いしながらも刺すような視線を送ってきてる。
美人だけど……、なんか、プライド高そう。
『ホント、どっかおかしいんじゃない?』
……目の前にいるんだから、面と向って言ったらどうですか。
なんて。
よっぽど言ってやろうかと思った。
けど、ここは生徒会室で、生徒会役員としているんだから。
本宮先輩が、あたしを生徒会委員に選んでくれたんだから。
すぅっと息を吸い込んでから、ケンカを始める代わりに、にこっと微笑んで見せた。
「あたし、一生懸命頑張ります。
不慣れで、迷惑かけるかもしれませんが、よろしくお願いします。先輩」
ぺこっと下げた頭を上げると、さっきまで薄笑っていた先輩たちが、バツの悪そうな顔で目を逸らした。