恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「……唯、この進行表、あと10枚コピーしてきてくれる?
副会長が部数間違えたみたいだから」
「あ、はい。分かりました」
「あれ、マジで?」なんて言う副会長。
本宮先輩と副会長は普段から仲がいいのを知ってるから、見ていて微笑ましくなる。
いつも本宮先輩にいじられてる副会長は、絶対愛されキャラだと思う。
副会長がいるだけで、雰囲気が明るく柔らかくなる、見るからにいい人。
「じゃあ、行って来ちゃいますね」
笑顔で言うと、先輩と副会長が「よろしく」って微笑んだ。
多分、枚数は間違ってない。
副会長は、ふざけてばかりいる人だけど、仕事はしっかりするから。
だから“コピー10枚”は、イヤミを言われたあたしへの気遣いだ。
気持ちを入れ替える時間をくれたんだ。
本宮先輩の優しさと、それに気付きながらも笑顔をくれた副会長。
嬉しい反面、申し訳なくなりながら教室を出た。