恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「別にいいじゃん。子猫とじゃれてる都築くん、可愛いから……、」
「つーか、目、どうしたんだよ」
「あ、なんか砂が入っちゃって。
痛くて開けてられないから保健室に行こうかなって」
「……ふーん。じゃ、俺も行くかな」
「えっ、ケガ?」
「いや、貧血気味だから保健室行くって嘘ついて、どっかでサボるつもりで抜けてきたから」
「……ほとんど出てないじゃん。体育」
呆れて言うと、都築くんは何も答えずに歩き出す。
……あたしの腕を掴んだまま。
「ね、バランス感覚とかは平気だから、ひとりで歩けるよ?」
津田さんとか、都築くんファンに見られたくなくて言う。
すぐに離してくれると思ったのに、都築くんは歩きながらじっとあたしを見た。
「本宮に誤解されると困るから?」
「え……、」