恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「でね、体育の時いなかった唯が怪しいって、佐藤さんが言い出して」
「あたし?! でも、ずっと保健室にいたよ」
「うん、でもなんかそういう話になって……、でも途中で都築が、『俺も体育ん時抜けてたけど』って」
「え……、」
教室の中を見ると、一足先に教室に戻ってた都築くんが、佐藤さんとにらみ合ってるところだった。
にらみ合ってるっていうか、佐藤さんはそんな感じじゃないけど。
どっちかっていえば、オロオロして焦ってる感じだ。
完全に迫力負けしてる佐藤さんが、都築くんに弱々しい声で言う。
「だって……、沢村さんだったら盗る時間あったし」
「なんで犯人特定できんだよ。大体、この教室鍵掛かってたんだろ。
どうやって開けたんだよ」
「……沢村さん、週番だから鍵持ってるし」
「鍵なら、俺が持ってるけど」
「え……」