恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
都築くんが、ジャージのポケットから、鍵を取り出して見せる。
「つーか、この教室開けたのも俺だし」
保健医の先生がなかなか帰してくれそうもなかったから、授業が終わる前にって都築くんに鍵を開けてもらうように頼んだ。
あたしが開けないと、教室に入れないから、だから都築くんにお願いしたんだけど……。
目を丸くした佐藤さんが、また険しい顔つきになる。
「とにかく! 沢村さんのカバンの中、調べさせて」
「おまえ、どうやっても沢村を犯人にしたいんだな。
必死じゃん」
「べ、別に、そんなんじゃ……っ」
「つーか、だったら俺のも調べろよ。
沢村と俺は、同じ立場なんだし」
佐藤さんの顔がカっと赤くなる。
「じゃあ、調べればいいんでしょ?! っていうか、なんでそんなに沢村さんかばうんだか、わけわかんないし!」