恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


ヒートアップしていく佐藤さんと未だひょうひょうとしてる都築くんを囲むように、野次馬みたいな生徒が立ってる。

その中には津田さんの姿もあった。


他の生徒は半分楽しんでる感じだったけど……。

津田さんは、ハラハラしてるみたいだった。


「ちょっとストップ!」


生徒の間を抜けてふたりの前に行く。

都築くんはあたしを見るなり、顔をしかめた。


「目、まだ赤いじゃん」

「ああ、うん。でもそのうち治るから大丈夫だよ」


それだけ言ってから、「それより」と佐藤さんを見る。


「お財布がなくなったのは、体育の時間で間違いないの?」

「……絶対にそう。だよね、あさ美」


そう言って、津田さんを振り返る佐藤さん。

見ると、津田さんは戸惑った後、頷いた。



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