恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「あれ……、キーホルダーがない」
都築くんにもらった、りんご型の手鏡キーホルダー。
やましい気持ちでもらったわけじゃないんだしって、カバンにつけてたのに……。
なくなってる。
「キーホルダーって、アレ?」
「うん……。朝はあったのに」
もらってすぐつけたから、都築くんもあたしがカバンにつけてるのは知ってる。
「なんでだろ……。
佐藤さんのお財布もないって事は、ホントに誰かが忍び込んで盗んだのかな。
他の人で何かなくなった人はいないの?」
周りを見渡しながら聞くと、それぞれが自分のカバンを調べ始める。
その様子を眺めていると、不意に佐藤さんと目があった。
さっきまで、あたしを睨みつけるようにして見ていた佐藤さんが、目があった途端、ビクっと肩を揺らした。
そして、気まずそうに目を伏せて言う。