恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


「とにかく、調べさせてよ。沢村さんのカバン」

「なんでそんなにあたしを疑うの?

……まぁ、でも、調べて気がすむならいいけど」


不思議に思いながらも、それで疑いが晴れるならいっかと思って言う。

だけど、それを都築くんが止めた。


「つーか、沢村が保健室にいたってのは、保健医が知ってるし俺だって知ってる。

それって証拠になんねーの?」


別に、調べて気がすむならそれでいいのに。

やけにそれを拒む都築くんを不思議になりながら見上げてると、後ろから声が聞こえてきた。


落ち着いた声が。


「―――なにか問題でも?」


教室中の生徒の視線が、廊下側のドアに釘付けになる。

ドアに手をかけて立っているのは、困ったように微笑む、本宮先輩だった。



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