恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*


今まで気付かなかったけど、廊下の外には他のクラスのギャラリーでいっぱいだし。

珍しい動物にでもなった気分。


でも、そのギャラリー達も、今は急に現れた本宮先輩を見ていた。


みんなの視線を集めた先輩が、わずかに微笑みながら聞く。


「他のクラスの生徒から聞いたんだけど、何かなくしたって?」

「……あ、はい」


なんでだか勢いをなくした佐藤さんに視線を戻す。

その向こうにいる津田さんまで、なんだかそわそわしてるから不思議になって声をかけようとした時。


「さっきね、廊下で拾ったんだけど……、もしかしたら探し物ってコレ?」


先輩の手に持たれているのは、ブランドのお財布。

佐藤さんを見ると、驚いた顔をした後、こくんと頷いた。




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