恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「よかったー、どう助ければいいのか分からなくて、もどかしかったんだよね」
近くにきた千春が、大きなため息をつきながら言う。
「都築が唯の味方するとか意外だったけど。
案外、いいヤツなんだね。
生徒会で友情でも芽生えたとか?」
「見た目と違うよね」
時計を見ると、昼休みがもう15分も過ぎていた。
「なんだー、落としただけなんじゃん」
「おかしいと思ったー」
そんな声がそこら中で聞こえる。
佐藤さんと津田さんは、しかめた顔で何かを話してる。
とりえあずよかったけど……。
佐藤さんがただ落としただけなら。
あたしのキーホルダーは、どこいったんだろ。
自分で買ったモノならいいけど、もらったモノだし、このままじゃ都築くんにも悪い。
そう思って教室を見回したけど。
都築くんと先輩の姿は、見つけられなかった。