恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
┗尚哉SIDE
【尚哉SIDE】
沢村の友達、田中千春が沢村に声をかける。
田中に笑顔を返す沢村を確認してから、騒がしい教室を後にした。
『裏庭の自販機で待ってるから』
一足先に騒ぎから抜け出した本宮が耳打ちした通り、裏庭に向かう。
自販機の前まで行くと、ベンチに座る本宮に気付いた。
「おごるけど、注文は?」
「微糖のコーヒー」
同じコーヒーを2本買ってから、1本を本宮に差し出した。
「悪いな」
「別に。俺が頼んだんだし」
本宮は笑いながら受け取る。
「『急いで2-1に来い』ってメールもらった時は、何事かと思ったよ」
「どーしても、沢村のカバンから目を離させないとだったから。
人気者の生徒会長がくれば、みんなおまえに釘付けになるだろ」
「財布、唯のカバンの中に隠されてたのか?」
「あいつらが自分で仕組んだんだよ。
カバン調べさせろってうるさかったから、どーせそこにあるんだろって気付いて。
俺と沢村の事が噂になってるって聞いてたから、あの辺のヤツらがなんかするかもって注意して見てたんだ」