恋愛ジャンキー *-甘い蜜に溺れて-*
「どーにかなんねーの?
本宮は情が移ってハッキリ断われないだけだろうけど、今のままじゃ沢村が可哀想だろ」
「……そうだな」
「“傍にいたい”っていうのだって、沢村にしたら、仕方なくだろ。
おまえと付き合えないって分かってて、それでも好きだからそう言ってるだけで。
あいつが、本当は何を望んでおまえの傍にいるんだか、分かってんだろ?」
「ああ、分かってるよ」
素直に頷いた本宮が、目を伏せたまま言う。
「唯は、気持ちを隠さないで、どんどん言葉にも態度にもするヤツだった。
元カレの時だって、あいつ、俺の前で何度も泣いたんだ」
本宮がツラそうに顔を歪める。
「それなのに……、この半年、唯は一度も泣かない。
好きとも言わない。
いつも、俺との約束を守って、俺に迷惑がかからないようにって、そればっか考えてるんだと思う」